宗教と文化、宗教と言葉

なるほど仏教用語

旦那は檀那

奥さんが夫を呼ぶときに浸透している「旦那」という言葉は、その昔、店の主人を使用人が呼ぶときの言葉でした。
料亭などの老舗の跡取りなども、「若旦那」なんて呼ばれますね。
言葉の印象としては、その組織や家族の主の意味合いですが、これも元は仏教用語です。
こちらの由来は古代インドの言葉の一つであるサンスクリット語の「ダーナ」から来ているそうです。
ダーナはお布施を意味する言葉で、日本に入ってきたときに、金銭的にもお寺を支えてくれる檀家の意味になったようです。
そこから、その組織の生活全般を支えてくれる人を旦那と呼ぶようになったとか。
また、そこから派生して現在使われている英語もあるそうです。
仏教用語は、日本だけでなく世界中に影響があるようですね。

挨拶という言葉

日本人は実に多くのあいさつを使い分けています。
「おはよう」「こんにちは」「さようなら」「おやすみなさい」など、これらの言葉を総じて「挨拶」と言いますね。
仏教の世界では、こうした声掛けで修業の進み具合や成果を確認していたそうです。
そこから日常的な声掛けの言葉として、庶民に定着していったようです。
「挨拶」という文字ですが、他にはあまり見かけない漢字です。
また「ありがとう」という言葉も、仏教からきています。
漢字で書くと「有り難い」、つまり、有ることが難しいということです。
ありがとう、を伝えるシーンは、仏教的には起こることがそうないシーンであると考えられていたという事でしょうか。
相手に良い扱いをしてもらったら、「めったにないことだ、ありがたい」という感謝の気持ちを持って「ありがとう」と伝えましょう。